2018.09.23 Sunday
モーツァルトな1ヶ月

サラ先生のモーツァルトピアノソナタ全曲演奏会が
盛況のうちに幕を閉じました。
これまでに様々な人たちのモーツァルトを聴いてきたが
毎回こんなにフレッシュな気持ちで聴いたことは
なかったと断言してもいいでしょう。
どうやら世間には(特に日本)
誰が決めたのか
モーツァルトはこう弾くべき
とか
こう解釈すべき、など
なんともナンセンスな「四角い」常識があって
モーツァルトが望んでいなかったであろうものが
「モーツァルト」として存在しつづけているように思っていた。
サラ先生が長年研究してこられた
モーツァルト作品における解釈を
今回まとめて聴いてみると
モーツァルトこそ、きっとこういうふうに弾いただろう!
と思えるものばかりで
毎回新しい発見と驚愕とで
どんなに脳と体が疲れていても
初めの一音が鳴った瞬間
覚醒するという感覚が
非常に心地よかった4日間だった。
今までに聴いたことがなかった解釈のものも
聴衆に受け入れられていた
ということが
先生にとって何よりの歓びだっただろうと思う。
また聴きたいなと思うけれども
サラ先生ご自身は
「当分もういい、辛かった」
とおっしゃっていた。
準備期間からの数ヶ月間
モーツァルトにうなされた時間だったと思う。
多くの苦しみから素晴らしいものが生まれるのだということを
身をもって教えてくださったように思う。
モーツァルトのピアノ協奏曲全曲がレパートリーだと
おっしゃるサラ先生。
次はコンチェルト・チクルスが聴けることを
楽しみに待っていたいと思う。